この図では,途中でGPSのスイッチが切れて記録が取れていない区間(朝日岳への途中)がある.
朝日岳への登山道は,岩戸観音堂の向かって右脇の急な階段を上って尾根に取り付く「岩戸公園コース」と旧豊林荘の先から登る「旧豊林荘コース」がある.今回は岩戸コースを登り旧豊林荘コースを降りてきた.
登山口の案内には,岩戸公園コースの方が登りやすいと書かれている.私が歩いた感じでは,岩戸公園コースは急崖の露岩部を渡る場所が幾つかあり,急な登りが続くけれども旧豊林荘コースの方が安全と感じた.
写真1 朝日岳
豊平川へ降りて行く遊歩道の定山渓ホテル山渓苑の脇から見た朝日岳である.山頂の南東側の斜面は,沢が入り込んで急斜面となっている.この斜面には岩塊が点在している.
写真2 岩戸観音堂と登山口
中央の建物が岩戸観音堂で中に入るとトンネルに安置されている33体の観音様を見ることができる.向かって右側に急な階段があり,登り切ったところが岩戸公園で登山道へと続いている.
写真3 コンロンソウ
標高330m付近の沢沿いの道に咲いていた.ちょうど盛りのようである.
写真4 シラネアオイ
朝日岳から北東に延びる尾根の北側斜面でシラネアオイがたくさん見られた.すでに盛りは過ぎていて,登山道に青い花びらが落ちていて周りを見るとシラネアオイが登山道沿いに咲いていた.
写真5 流紋岩質の酸性岩
石英や長石の斑晶が見られない流紋岩質の酸性岩である.
写真5 オオカメノキ(ムシカリ)
秋になると赤い実を付ける灌木である.
写真7 ツツジ
ツツジもそろそろ終わりである.標高500mを超えた辺りから見られるようになる.
写真8 石英閃緑岩の露頭
標高530m付近で登山道は南東斜面の沢の上部を通る.斜面は急峻で石英閃緑岩の露頭が見られる.
写真9 石英閃緑岩
全体に風化しているが石英と斜長石それに少量の黒雲母の結晶が認められる.これが代表的な岩相である.
写真10 クルマバソウ
岩塊だらけの急斜面に咲いていた.
写真11 斜面を覆う岩塊
あまり角の取れていない角礫状の径1mほどの岩塊が斜面を覆っている.最終間氷期の凍結融解作用により分離した岩塊と想定される.場所は,朝日岳の南東斜面の沢の上部,標高550m付近にあたる.
写真12 朝日岳頂上からの余市岳
まだ雪が多く残っている余市岳である.頂上付近から帯状に雪のついていない斜面があるのが印象的である.この右手には定山渓天狗岳,小天狗岳が見え,ずっと左に無意根山が見える.木々の葉が茂る前に来れば,山が良く見えたであろう.
写真13 ホウチャクソウ
旧豊林荘コースの登山口から少し入ったところで見られた.宝鐸(読みは「ほうちゃく」で間違いないです)と言うのは,お寺の建物の軒に吊してある大きな鈴のことである.
参考にした図書など
- 西川純一,1981,"定山渓石英斑岩“とそのSr同位体比.岩石鉱物鉱床学会誌,76巻,9号,285-293.
- 渡辺 寧,岩田圭示,羽坂俊一,1989,西南北海道定山渓地域の中新統と地質構造.地球科学,43巻,1号,7-15.