佐幌岳の頂上には立派な露頭がある.コアストーンの残存であろう.
写真1 登山口
狩勝峠のお土産物屋の国道側裏手に登山道の入口がある.この写真で道路の向こうに看板が一杯立っているところである.向こう側が十勝平野である.
この日の峠は,車のライトが必要なくらい霧(雲)がかかっていた.登っているうちに,標高935mくらいで雲を抜け,周囲の山々を見ることが出来た.
写真1 登山道入口の粘板岩
入林届けの直ぐ先は急な斜面を登る.そこに出ている粘板岩である.ホルンフェルス化を受けて,硬質である.多分,黒雲母が形成されている.
写真3 最初に出てきた花崗岩の転石
標高715m付近の登山道に転がっている花こう岩の転石である.風化を受けているが石英が認められる.
写真4 花こう岩露頭
登山道の標高725m付近の東斜面に表層崩壊があり,風化した花こう岩の露頭がある.
写真5 花こう岩露頭の近影
風化して鉱物が砂状になっているが,原岩組織ははっきりと残存している.比較的粗粒な岩相で斑れい岩の分布域までは,この岩相の花こう岩が続く.
写真6 中粒の新鮮な花崗岩
標高842mのコブと778mの中間付近で見ることのできた露頭の石である.5万分の1地質図幅「新得」でいう黒雲母花こう岩の中の「やや斑状の花こう岩」であろう.
写真7 雲を抜ける
標高949mの桜山の手前,標高935mで雲を抜けた.正面左は佐幌岳で,頂上のちょっと下にスキーリフトの鉄塔が見える.遠くにウペペサンケ山などの東大雪の山々が見える.
写真8 斑れい岩
佐幌岳の頂上から南西に延びる尾根の標高930mほどのコブ手前から斑れい岩となる.5万分の1地質図幅「新得」では,花こう岩体中に北北西−南南東方向の伸びを持った岩体(かんらん石はんれい岩)として描かれている.ただし,この岩相は細粒角閃石はんれい岩に酷似している.
写真9 佐幌岳頂上
南西に延びる尾根の最後のコブ付近から見た頂上である.頂上の尾根は北西−南東方向の伸びを持っていて,南東側から見るとゆったりとした山容である.
写真10 角閃石黒雲母花こう岩
頂上への最後の登りの標高990m付近から頂上まで,この花こう岩が分布している.
写真11 頂上の花こう岩
侵食作用により形成されたコアストーンの残存物であろう.一見モニュメントように見える.
写真12 雲海
十勝平野は一面,雲で覆われている.この下に佐幌川と佐幌ダムが見えるはずである.手前にスキーリフトの鉄塔が見える.
写真13 頂上の花こう岩
頂上には最大3mほどの岩塊が点在している.新鮮な角閃石黒雲母花こう岩である.
写真14 富良野岳から十勝岳
十勝連峰の山々が一望できる.
写真15 夕張岳から芦別岳
遠く左に夕張岳の巨大ブロック山塊,右に芦別岳である.中央の尖った三角の山は,蛇紋岩地帯の西にある1415m峰と思われる.