富士山

 富士山の噴火が最近注目されています.噴火した場合の被害は数兆円に上ると試算されています.もっとも最近の大噴火は有名な宝永の噴火(1707年12月16日=宝永4年11月236日)です.その前の噴火は800年(延暦19年),864年(貞観6年),1083年(永保3年)と平安時代に大噴火があった.
 宝永の噴火からすでに296年間大きな噴火はない.しかし,最近になって富士山の地下10〜20kmの所で流体(マグマなど)が関与している低周波地震が発生したり,山腹に地温の高い箇所が見つかったりして富士山の活動が活発化しているのではないかという兆候が見られる.
 歴史的には1854年頃まで断続的ではあるが富士山に噴煙があるという記述が色々な文献に見られる.ほぼ明治に入った頃から富士山の噴煙は見られなくなったと考えられる.

 宝永の噴火の被害状況については永原慶二「富士山宝永大爆発」(2002,集英社新書)に詳しい.これによると噴火による被害もさることながら火山灰が溜まったことによる農地の被害やその後の洪水時などに流出した火山灰による被害が著しかったことが詳しく述べられている.

<参考文献>

小山真人編,2002,富士を知る.集英社.
つじよしのぶ,1992,富士山の噴火−万葉集から現代まで.築地書館.
永原慶二,2002,富士山宝永大爆発.集英社新書.

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