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図1 付加体の形成過程(平,1990,P63を参考に作成)

 中央海嶺のような海底火山を形成しながら湧き上がってきた玄武岩質マグマが枕状溶岩を形成する.これらの溶岩は横に移動する.

 初めは枕状溶岩の上に海水中の有孔虫などの死骸が堆積し石灰岩が形成される.枕状溶岩が海嶺から遠ざかるにつれて表面の深度が深くなり,石灰分は海水中に溶けて枕状溶岩の表面には堆積しなくなる.
 ココリスなどの死骸は石英分が多いので海底に堆積する.また,風で飛ばされてきた黄砂のような風成ダストも海底に堆積する.これらはチャートを形成する.

 大陸や島弧が近くなると火山灰や河川によって運ばれてきた細かい泥が堆積し始める.また,大陸棚や斜面に堆積した砂や泥が乱泥流として深海底に達し泥と砂の互層からなるタービダイトを形成する.

 日本海溝のような沈み込み帯ではこれらの一連の堆積物や枕状溶岩が大陸側に付加されて,付加体が形成される.

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