室蘭市街の北10kmにある標高911mの山で,山の案内書では室蘭岳となっていて,山頂の標識も室蘭岳である。地理院地図では,鷲別岳(室蘭岳)となっている。
山頂の北西側は急峻な斜面になっているのに対し,南斜面は部分的に段差地形や急な斜面があるが,平均傾斜10°の緩斜面となっている。中期更新世(70万年前〜15万年前:地質図Navi)の室蘭岳火山群の噴出物で構成されている。
登山道は,室蘭岳山麓総合公園の上,スキー場施設の西の林の中の歩道をたどり,白鳥ヒュッテから登る。
夏道コース(南尾根コース)と西尾根コース,鷲別川上流の水元沢沿いに上るコースの三つがある。
図幅では,どのコースでも標高520m付近までは室蘭岳集塊岩層(ハイアロクラスタイト・凝灰岩)が分布し,それより上は室蘭岳溶岩としている。
白鳥ヒュッテに向かう途中にある望洋台霊園付近,標高200m付近まで段丘堆積物が分布している。
コースタイムは,夏道コースは上り1時間15分,下り55分,西尾根コースは上り1時間45分,下り1時間5分である。
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だんパラスキー場の西にある歩道を上っていくと,白鳥ヒュッテに着く。ここが登山道入口で,夏道,水本沢,西尾根の各コースの出発点で登山届けボックスがある。
夏道コースは右手の登山道を行く。このコース全体が,露頭はほとんどない。足許の転石を見ながら上る。標高470m付近には,輝石安山岩の転石が多い。
標高500m付近に室蘭岳水神社があり,かなりの水がわき出ていて利用されているようである。
ここからやや急な登りになる。西尾根から見ると一定の傾斜で延びている南尾根がここで急斜面を形成していて,溶岩流の末端と思わせる。この急な登りの途中に階段が有りその向こうに大きな岩がある。輝石安山岩である。
標高550mから800m付近までは,なだらかな尾根道である。ダケカンバと笹原が続く,時々道に転がっている石は,輝石安山岩のほかに角閃石を含み流理の見える安山岩もある。
尾根道の傾斜は約10°で非常に歩きやすい。溶岩の流走面の上を歩いているのであろう。
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