抑制工 | 地表面排除工(水路工,浸透防止工) | ||
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地下水排除工 | 浅層地下水排除工(地下水排除工等) | ||
深層地下水排除工(水抜きボーリング,集水井,排水トンネル) | |||
排土工 | |||
押え盛土工 | |||
抑止工 | 杭工 | ||
深礎工 | |||
アンカー工 |
地区 | 垂直縫地ボルトの規格と目的 | 地すべり対策工 |
太平寺トンネル西地区 | 規格:孔径100mm,ボルト径32mm,長さ12m 目的:事前の地山補強工として薬液注入工,抑止杭工,地下水排除工と併用. 施工位置:ほぼ上下線トンネル幅でトンネル方向に約22m. |
深礎杭:径3m,深さ19m 鋼管抑止杭:径500mm,長さ12〜18m,14本. 水抜きボーリング:5箇所 特記:地すべり滑動方向はトンネル縦断方向で,すべり面深度は5m程度. |
名立大町トンネル東地区 | 規格:掘削孔径不明,ボルト径32mm,長さ約15m(最大),本数111本. 目的:トンネル上部のすり抜けの地すべり防止(薄いすべり面の滑動防止).トンネル幅の地すべりブロックを想定. 施工位置:トンネル幅でトンネル方向に18m. |
深礎杭:径3m,深さ22.5〜25.0m,3本+施工中追加分 径3m,長さ19.5m 2本. |
能生トンネル東地区 | 規格:孔径,ボルト径不明,長さ約16m(最大) 目的:地山の変位抑制(弾性的挙動を期待).トンネル掘削前に垂直縫地ボルトを施工したがクラックが発生し,山側にボルトを追加施工した. 施工位置:ほぼトンネル幅. | 施工前に地すべり対策工は実施していない. 施工後クラックが発生したため,水抜きボーリングと上半仮インバートを施工した. 特記:すべり面深度は約30mで,地すべり滑動方向はトンネル縦断方向. |
金山トンネル西地区 | 規格:ボルト径32mm,長さ5m 目的:ソイルセメントによる押え盛土の基礎地山の安定を図る. 施工位置:トンネル幅で30m |
押え盛土 特記:側壁導坑施工中に崩落,陥没,山側の大変位が発生.トンネル内からの薬液注入工を実施. |
風波トンネル東地区 | 規格:ボルト径32mm,長さ36m(最大) 目的:地すべり対策.施工中の密な動態観測を併用. 施工位置:上下線トンネルの側壁面から45°+φ/2の想定ゆるみ囲.延長は1.5mピッチで28.5m 特記:垂直縫地ボルトには圧縮軸力が最大400kN(40t)以上発生した.吊り下げ効果ではなく,地表面までの全ての緩み荷重が作用したと考えられる. |
坑口部に崖錐堆積物が厚さ8〜10mで堆積していた.明瞭な地すべり地形ではない. |
垂直縫地ボルトの規格と目的 | 地すべり対策工 |
規格:孔径115mm,ボルト径35mm(ネジバー),長さ4.354m,390本. 目的:大規模地すべりと小規模地すべりがあり,小規模地すべり対策と掘削による緩み対策を兼ねて実施した. 施工範囲:縦断,横断方向とも2mピッチ.19列,38m. | 地すべり対策工はなし. 特記:対策を行った地すべり規模は,幅50m,厚さ7mである. 掘削による緩みに伴う変位は発生したが,斜面は安定化している. 掘削完了4ヶ月後に縫地ボルト施工範囲外で のり面崩壊 が発生した. |
垂直縫地ボルトの効果は,次のようにまとめられる.
(1) トンネル上半まで打設された縫地ボルトには,圧縮の軸力が作用する.これに対し,トンネル天端に達していないボルトや上半到達後切断したボルトには引張の軸力が作用する.
垂直縫地ボルトが吊り下げ効果を持つというのは,ボルト先端の位置やトンネル切羽との関係で正しい場合があるが,垂直縫地ボルトの効果の全てではない.
つまり,トンネル掘削に伴う先行沈下に対し,ボルトが支持杭のような直接的抑止効果を発揮する.
(2) ボルト打設範囲が横断方向で充分であれば,トンネル周辺の地山は一体化しグランドアーチを形成する.したがって,地表沈下量は小さく押さえられる.周辺のボルトにはトンネル断面内のボルトよりも大きな圧縮力が作用することから,グランドアートの形成が裏付けられている.
(2002年12月14日)