豊平川にかかる橋(4)

 よく見ると豊平川は不思議な川である.
 現在は,札幌市東区モエレ沼公園の北東で石狩川の合流している.この合流点からさかのぼっていくと,札幌扇状地を経て,硬石山の東でほぼ直角に西に曲がる.これは,約4万年前に発生した支笏火砕流堆積物によって,それまでの流路が変えられたためだとされている.それにしても,この付近で流路が90度曲がって,それまで東に向かって流れていた豊平川はほぼ真北に流路を変えている.
 定山渓温泉のすぐ北,朝里峠に抜ける道路にかかる錦橋の下流で白井川と合流しているが,西から流れてくる白井川に豊平川本流が合流しているように見える.ここでも,豊平川はほぼ直角に曲がっている.
 さらに上流では薄別川と合流するが,ここでも南東から下ってくる薄別川に本流の豊平川が注いでいるように見える.その後は,豊平峡ダムを経て小漁岳の南の源流になる.

 


←“トップ”へ戻る

toyohirarivmap.jpg
図1 豊平川流路の全体図
 現地で合流点を見ると白井川や薄別川が真っ直ぐ流下していて本流のように感じる.流路の長さでは確かにこの図で示した流れが最も長い.

kariki0011.jpg

雁来大橋(1)

1978年7月に竣工した16径間の橋.
 これは,左岸から見たもので,買っては堤防上を国道275号が走っていた.現在は,堤防下の道路がモエレ沼公園方面に抜ける道となっている.

kariki0031.jpg

雁来大橋(2)

堤防の上から見た状態で,石狩川同様堤外は広く,自転車道が通っている.

kariki0041.jpg

雁来大橋(3)

豊平川を横断する部分.頑丈な箱桁となっている.川の流れの中に橋脚が1本立っている.

kariki0071.jpg

雁来大橋(4)

上流右岸から離れて見た雁来大橋.実にシンプルである.

kariki0061.jpg

雁来大橋(5)

雁来大橋の右岸に建設された札幌市のゴミ焼却場.

(ここまでは,2006年5月31日に追加)


toyobr4shiraigawa.jpg

白井川橋

1969年5月に竣工した3径間の鋼橋.
 これは,右岸上流から見たもので,白井川浄水場のすぐ上流にある.

toyobr4goryo1.jpg

御料橋(左岸上流から)

 1979年(昭和54年)に建設された2径間の鋼桁橋である.
 簾舞ダムの直下流にある比較的古い橋である.国道230号が2車線に拡幅される前は,定山渓から下ってきてこの橋を渡り石山大橋の手前に出るルートが,渋滞を避ける一つの方法であった.
 両岸ともきれいな柱状節理の発達した安山岩からなっている.
toyobr4goryo2.jpgtoyobr4goryo3.jpg左:左岸側から見た御料橋

右:橋桁の状態

toyobr4toyama1.jpg

砥山橋(左岸上流から)

 1994年(平成6年)に建設された2径間の鋼箱桁橋で,橋台は逆T式の直接基礎である.2005年に拡幅・耐震補強工事を行っている.
toyobr4toyama2.jpgtoyobr4toyama3.jpg左:橋桁の様子

右:耐震構造
 落橋防止構造はブラケット式のPCケーブルで,変位制限構造はコンクリート壁・鋼製ブラケットである.


←“トップ”へ戻る
hakenzantun1.jpghakenzantun2.jpg

突然ですがトンネルです.豊平川の左岸を通る札幌市道のトンネルです.

左:八剣山トンネルの札幌側入り口

 八剣山の山裾に掘られたトンネルで,両坑口とも竹割り式の坑門となっている.
1999年2月に竣工した延長760mのトンネルで,札幌側工区を地崎JVが定山渓側工区を岩田JVが施工した.

右:トンネル内の様子

 3mの歩道が付いていて人が歩くのも自転車でも安心して通れる.車道部8.25m,歩道部3.00mで高さ4.7mとかなり扁平な断面となっている.
 両坑口でカーブしていて,逆S字となっている.札幌側坑口は明り巻き区間がやや長くなっている.

toyobr4toyamasakae1.jpgtoyobr4toyamasakae2.jpg

砥山栄橋

1999年3月に竣工した2径間の鋼箱桁橋.この橋の周辺の河床には生痕化石がたくさん見られる.
toyobr4toyamasakae4.jpgtoyobr4toyamasakae3.jpg左:上流側左岸から見た砥山栄橋.

右:桁の状態

toyobr4hyakumatu4.jpg

百松橋

1960年9月竣工の古い橋である.札幌から定山渓に向かう国道230号から百松沢林道への入り口である.
 緑の川面と木々に赤いアーチが映える.
toyobr4hyakumatu1.jpgtoyobr4hyakumatu3.jpg左:桁の状態.いかにも頼りなさそうである.

右:林道側から国道230号を見る.この状態からはアーチ橋であることは想像つかない.

toyobr4nishiki1.jpg

錦橋

1960年9月竣工.定山渓温泉の手前で国道230号から分かれて小樽市朝里に抜ける道々小樽定山渓線へ向かう途中にあるアーチ橋である.南から流下してきた豊平川が西から流れてくる白井川と合流するすぐ上流にある.
toyobr4nishiki2.jpgtoyobr4nishiki3.jpg左:アーチの状態.
 河床までの高さも結構あり橋としては美しい姿をしている.

右:上流側に歩道橋が架かっている.こちらはトラス橋で上流から見た橋の姿と下流から見た姿が違っている.

toyobr4tamakawa1.jpg

玉川橋

1957年に竣工した3径間のコンクリート橋.上流側から見たものである.かなり痛みが激しい.
toyobr4tamakawa2.jpgtoyobr4tamakawa3.jpg左:橋の路面の状態.欄干は単菅で保護されている.

右:橋桁の状態

toyobr4hatuden1.jpg

ちょっと一休み

定山渓温泉付近の水利用状況.
 この図では,上から真っ直ぐ流れてくる川が白井川で,この奥に2006年3月に閉山した豊羽鉱山がある.
 左上(南西)に伸びる豊平川本流にはアーチ式の豊平峡ダムが,右(北)から流れてくる小樽内川には重力式の定山渓ダムがある.
 玉川橋のすぐ上流には定山渓発電所がある.
toyobr4hatuden2.jpgtoyobr4hatuden3.jpg左:建設当時の定山渓発電所(説明板)

右:現在の定山渓発電所

toyobr4jozankei1.jpg

定山渓大橋

1977年9月に竣工した橋で,プレストレス・コンクリート橋で,定着方式はディビダーク工法である.
 定山渓ビューホテルのすぐ脇を通っている.この付近の河床には泉源が多くあり,噴気が見られる.
toyobr4jozankei2.jpgtoyobr4jozankei3.jpg左:上流側から遠望した定山渓大橋.

右:定山渓大橋のすぐ上流にある吊り橋.

toyobr4tukimi2.jpg

月見橋

定山渓温泉のど真ん中にある橋で,観光客で賑わっている.
toyobr4tukimi1.jpg月見橋の路面.散策しやすいように舗装や欄干に工夫を凝らしている.
 正面の建物は,国道230号沿いにあるホテルミリオーネ.

toyobr4horin1.jpg

国道230号から北海道森林管理局の豊林荘に行く林道の橋.

3径間の鋼橋である.
toyobr4horin2.jpgtoyobr4horin3.jpg左:橋桁の状態.

右:路面の状態.国道側から見る.

toyobr4shintoyo1.jpgtoyobr4shintoyo2.jpg

新豊橋

左:ほぼ真下から見上げる.橋を渡るときの印象は,歩道もなく,ごく平凡な橋であるが,下から見上げると斬新な桁であることが分かる.

右:下流から見上げる.

toyobr4shintoyo3.jpgtoyobr4shintoyo4.jpg

新豊橋

左:札幌側橋台

右:中山峠側から見る.

(2006年5月6日)


←“トップ”へ戻る