豊平川散歩−橋と川の様子−

 (2008年6月10日作成)

 初夏の豊平川はわりあい水量も豊富で河畔林の緑が美しく魅力的な川である.
 中流の藻南公園付近から五輪大橋付近までは河床に西野層の火砕岩類が露出している.昔のおいらん淵も今では火砕岩の露出した河床となっていて淵の面影は全くない.五輪大橋の下流付近から露岩は見られなくなり,河床砂礫がインブリケーション(堆積物を構成する礫などが頭部を下流側に傾斜させている構造)を呈している.
 一条大橋付近(地下鉄東西線が横断する付近)で流路を大きく東に振って,雁来大橋付近で旧豊平川から分かれて石狩川に合流する.下流に行くにつれて礫のサイズは小さくなり,環状北大橋より下流では滔々とした流れとなる.


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.jpg幌平橋と藻岩山

 現在の橋は1995(平成7)年に完成した4代目の幌平橋で,橋長160.6m,中央径間を構成するアーチの高さは約9.3mである.

.jpg幌平橋のモニュメント

 初代幌平橋建設のいきさつが書かれている.
 豊平川右岸の平岸のリンゴを札幌に出荷するために橋を架けることを思いついた河合才一郎氏が自費で架けた木橋であると書かれている.建設は1927(昭和2)年で幅員5m,橋長159mであったという.

.jpg豊平区側(右岸)から見た幌平橋

 下流側に広場があり幌平橋の歴史を説明したモニュメント(白く見える三角頭)が並んでいる.

.jpg幌平橋から上流を見る

 豊平川と藻岩山は札幌のシンボルである.
 最近の研究で藻岩山の最も新しい活動時期は鮮新世末期の2.3-2.6Ma(Ma:百万年前;札幌市,2007,札幌市大型動物化石総合調査報告書.58p)であるとされている.

.jpg幌平橋から下流を見る

 豊平扇状地の中央付近の相当し流れは急である.ほとんど礫からなる中州が形成されている.

.jpg耐震補強をした南大橋(2005年3月施工)

 橋脚の鋼板巻立て工を施工し,変位制限装置を設置した.

.jpg耐震補強をした南7条大橋(2005年3月施工)

 橋脚に鋼板を巻立てボルトで締め付け,変位制限装置を設置している.

.jpg南7条大橋の全景
 
.jpgでんでん大橋と豊平川第一水管橋

 手前がアーチ式の水管橋,向こう側が斜張橋のでんでん大橋.

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一条大橋と水穂大橋の間にある説明版
 左:この看板の付近から下流では流れは東に向かう.高水敷の広場はこの付近から狭くなり,北13条大橋付近から広々としてくる.
 右:豊平川と石狩川の広域図
.jpg水穂大橋下から見た豊平川

 この付近で大きく東に流路が変わり,流れも少し穏やかになる.

.jpg水穂大橋

 菊水と苗穂を繋ぐ橋で,すっきりしたスタイルが好ましい.

.jpg環状北大橋下流付近の流れ

 流れは緩やかになり河床には砂礫はほとんど見られない.遠くに藻岩山が霞んで見える.

.jpg豊平川船着き場

 雁来大橋の下流約2.5km付近の左岸にある船着き場から下流を見ている.本流との間に矢板を打ち込んで下流から船着き場に水が流れ込むようにして水を停滞させている.

.jpg豊平川船着き場の説明版

 どの程度の吃水の船を想定しているか分からないが,先ず浚渫をしないと現状ではすぐ使うのは難しいように思える.堤防の上の道路は舗装されているので荷物の運搬は問題ないだろうが,地震で堤防が壊れたら絵に描いた餅になってしまう.

.jpgモエレ沼

 どうやら,モエレ沼は豊平川の昔の名残のようである.豊平川の流路は東へ東へと移動してきたように見える.
 西から北大のなかを流れるサクシュ琴似川,伏篭川,モエレ沼,旧豊平川と世田豊平川である.


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モエレ沼公園の海の噴水

 この噴水は色々な表情を見せる.
荒れ狂う海と打ち寄せる波,うねり,鏡のような海面,霧,そして滝.
 ライトアップの時も美しいが夕日を浴びる水の姿が一番きれいに見える.
  今何が起こっているのか,次に何が起こるのかを注意深く見る楽しみがある.


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