「久しぶりに手を引いて・・・}で始まる「東京だよおっかさん」という歌に「あれが二重橋 記念の写真を撮りましょう」と歌われているのが,この橋だとずっと思っていました.メガネ・アーチが二つで二重橋とも思っていました.
でも,写真に写っている橋は,「めがね橋」といい,公称「正門石橋」と言います.正月一般参賀の時には,この橋を右から左に渡り皇居正門をくぐります.
二重橋は,この写真ではかろうじて左のめがねの中に橋台が見えています.これは現在は,1径間の鉄の橋で「正門鉄橋(せいもんてつばし)」と言います.二重橋の名の由来は,建設当時(江戸城時代)に橋桁を一つ造ったその上に,さらに橋を架けた2階建て構造になっていることから付けられたといいます(世界大百科事典,二重橋の項,平凡社).
最終氷期の頃(約2万から1万年年前),東京駅付近には南の大井埠頭,晴海埠頭から新橋,上野へと続く「古神田川谷」が入り込んでいて,その西に下末吉面と呼ばれる台地がありました.最終間氷期に温暖な気候になり海面上昇が上昇し,この「古神田川谷」には軟弱な沖積層が堆積していきました.二重橋は,この台地と沖積低地の境界付近に位置していたために,橋の基礎の支持層が深かったのでしょう.
札幌市の豊平川に架かる斜張橋.「ミュンヘン,札幌,ミルウォーキー」というビールの宣伝があったが,札幌とミュンヘンとの姉妹都市締結を記念して名付けられた.
この付近は,豊平川扇状地の扇頂付近に当たり砂礫層が分布している.基礎地盤としては特に大きな問題はない.右の写真の正面の山は札幌のシンボルである藻岩山である.
この付近で豊平川は大きく左にカーブしているため,橋の軸と河川流路とは直行しておらず,ピアは橋に対して斜めの小判型になっている.また,左の写真で分かるようにピアに対して橋の長さが左岸側と右岸側で異なっている.これらの構造的な問題を解決して建設された橋である.
豊平川の上流には,アーチ式の豊平峡ダム,重力式の定山渓ダムがあるが,豪雨時には高水敷きにかかるほどの流量となり,サイクリングロードに土砂が堆積することがある.
札幌市の豊平川にかかるアーチ橋である.非常に美しい形をしているが,左の写真のアーチと横桁の上に屋根のようなものが取り付けられている.これは,この部分に積もった雪が凍って落下するために,雪が溜まらないように後から付けられたものである.
気象条件が異なると予期しない不具合が発生する例である.
水穂大橋とほぼ同じ形式のアーチ橋である.この付近は,意外にも雪が降るが大量に積もることはない.
室蘭港を跨いで架けられた斜張橋である.室蘭港のある湾は非常に狭いが,基礎岩盤の深度は深くピアの工事はきわめて大がかりなものとなった.
左の写真は室蘭市側(南側)にある記念館付近から撮影したものである.ここには,主ケーブルの見本などが展示されている.
この橋のおかげで,高速道路の室蘭西インターから短時間で室蘭市街に行けるようになった.橋の頂部付近からは昭和新山,有珠山を見ることが出来る.
(2002年12月8日更新)