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図2 粘土鉱物の結晶構造(1:1型構造)

 SiO4四面体は牛乳のテトラパックと同じような形
をしており,それぞれの頂点に酸素(白丸)があり,中心に珪素
( 黒丸)がある.
 八面体シートはテトラパックを二つ合わせた形をしており,
頂点に(OH)(白丸)が中心にマグネシウムやアルミニウムが
ある.
 四面体シートと八面体シートそれに層間で一つの単位を構
成している.

 八面体シートの上にさらに四面体シートが付いたものがあ
り,このような構造をとるものを2:1型構造と言っている.この
場合,OH層の位置に頂点酸素が来て,八面体シートを挟ん
で対象になる.

 この層状構造では,底面に酸素イオンが並ぶことになるが,
酸素イオンはマイナスに帯電している.これが電気二重層形成の
原因である.

 1:1型構造をとる粘土鉱物は,カオリン鉱物,ハロイサイト,
蛇紋石鉱物,2:1型構造をとる粘土鉱物はスメクタイト,パイロ
フィライト,タルク,雲母粘土鉱物(イライト,セリサイト,セラド
ナイトなど)がある.

 膨潤性を示す鉱物は,スメクタイトや膨潤性マイカと呼ばれ
るものがある.これらの鉱物は,層間にナトリウムやマグネシ
ウムなどのイオンを含んでいる.このようなイオンは,水と結
合している方が安定に存在できるので,空気中の水蒸気と
も結合する.Na+の場合,相対湿度が90%であると3層の水分
子を層間に配位できるとされている.水分子のイオン半径は
ナトリウムのイオン半径の約1.5倍であるので,層間の間隔は
4.5倍に広がることになる.

 天然のスメクタイトの単位構造は15.4Åであるが,実験
では塩類濃度が減少すると単位構造の高さは増大し,120Åく
らい,つまり8倍くらいまでは増大する.

(2002年12月8日)


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