調査法全体については,「地盤工学会編,2004,地盤調査の方法と解説《に網羅されている.
岩石試験などについては,「地盤工学会編,2009,地盤材料試験の方法と解説《が詳しい.
トンネルは,切羽の状況を観察,確認しながら掘削するのが基本である.この観察には,切羽スケッチ,切羽岩盤の評価,写真撮影のほかに,内空変位測定,天端や支保工脚部の沈下測定,鋼製支保工応力測定,吹付けコンクリート応力測定などが含まれる.
事前調査による地山分類などは,全体の工費算出では重要な役割をするが,施工時は切羽に現れた地山の変化に対応しながら施工している.
坑口でのボーリングについては坑口の調査の項で述べるので,ここでは,コアの記載について述べる.
必要な記載項目は次のようになる.
色調 | ・色調は非常に重要な情報である.堆積岩であれば粒度を反映していることがあるし,火山岩であれば変質作用の影響が推定される. ・コア写真のみでは判断できない場合があり,自分流の色の吊前でも良いので記憶がよみがえるような記載を行っておく. |
硬軟 | ・重要な指標である.硬質なコアであればハンマーで叩いたときの音で表現しておくのが良い.軟質なコアであれば手で折れるかどうかと言ったこともしまり具合を判断する上方となる. |
・棒状,短柱状,片状,礫状,砂状,粘土状など. ・棒状コアの場合,コア箱に収めるために1mで切らなければならないが,コアカッターを用いない場合があるので注意を要する. ・変質などで粘土が噛んでいる場合,粘土分が流れて一見礫状に見えることがあるので注意する. | |
割れ目の状態 | ・割れ目面の状態(夾雑物がない,粘土を挟む,鏡肌がある,擦痕があるなど),割れ目の形態(平滑か凹凸があるかなど),掘削方向に対する傾斜などを記載する. |
風化 | ・全体が褐色化し軟質,割れ目の周辺が褐色化,新鮮などで区分する. |
コア採取率 | ・ある区間のコアが採取されていなければ判定しやすいが,全体にコアの採取が悪い場合があるので,一定の基準を設けて判定する. |
最大コア長 | ・割れ目の方向によってどう判断するか迷うことがある.これも一定の基準を設けて判定する. |
RQD | ・RQDの利点はコア全体にわたって亀裂の頻度を客観的に判定できることである. ・元々の分離面なのか,コアを取り出す時に入ったものなのかといった点も考慮する. ・一般的には10cmであるが,5cmでとる方式もある. |
岩級区分 | 田中の岩級区分(電力中央研究所方式)が使いやすい. |
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これに対して,最大限の情報を記載すると同時に後の処理を合理化する(補助者に行って貰う)ことを目的に工夫を凝らした記載方法がある.
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