この付近の地質は,ペルム紀の超丹波帯地層群で粘板岩,頁岩,混在岩である.この超丹波層中には石英斑岩が貫入しているが,この貫入方向は山崎断層系と同じく西北西−東南東である.
護岸工事では,円礫と砂からなる淡灰色現河床堆積物のすぐ下に,破砕・粘土化した粘板岩と黄褐色砂礫からなる低位段丘堆積物が接して出現した.主要な断層面の走向・傾斜は,N65°w,85°SWで,鏡肌が発達している.
山崎断層系は基本的に左横ずれ成分が卓越しており,今回の露頭では変位量は不明である.断層の位置は,ほぼ東西の谷筋で推定されている断層をそのまま延長した位置である.
周辺の調査結果も含め明らかになった断層破砕帯の幅は,少なくとも85mである.
図1 断層スケッチ 左の破砕・粘土化した粘板岩と右の砂礫層が接している.上位の河床堆積物は変位していないようである. | |
写真1 断層露頭 左下から右上に延びる黒色粘板岩の下底が断層本体で,折尺の下端付近が境界面である.右側の黄褐色部はシルト混り砂礫からなる低位段丘堆積物である. |
(2002年3月10日)
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